灰色の街





取り囲まれる、怨念の詩

語りかけてくる、過去と君

その装置、白く塗りつぶされると同時に

言葉たちが、わたしのからだに取り憑いた

巻き付いてはなれない

余白から、死者の声がした


正義は何処へ

棘の生えたわたしの感情

パラレルしていた日常

不可解な、回転しては落ちる

押し迫るその渦と闘いながら


真正面から受け止めると

息が詰まり、めまいがした

虚しさは、ビルの隙間から望む

灰色の空

弱った瞼を見開いて、自分を悔いた


その日の

小雨が降る海岸

繰り返し出る自戒の言葉

漣の音

ずっと考えていた

これからどうしようか


でもいっそぶっきらぼうに

全てを投げ出してしまおうかと


ただ、心配事は尽きない

安心というものが、足りていないのではないかと

押し込まれた遠い記憶の彼方

少しずつゆっくり、言葉にしていってごらん

友達になってしまったわたしに言えることは、このくらいしかないから

これでもこうやって書き進めようとするわたしは

とても弱い人間なのでしょう


砂浜で横になる

不意に掴んでしまった砂は

雨に濡れ、ぎしぎしと音を立てるが

形を作らないで、ぼとり、ぼとりと、掌から落ちる


カモメが二羽飛んでいた


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