新宿駅を北へ





靄のかかった副都心

雲を突き抜ける高層ビル

新宿駅は、上から見ると、

奇しくも、母体のような形をしており、

そこから切り離された

バスは

白々しくも、時間通りに

私を北へ、連れ戻した。

均等に並べられた街灯は

リズムをつくり

それに少し救われながらも

枯れ果てた感情

外の世界により、パラパラと

形が無くなってしまうほど、台無しになっていく



あの日から、天候が変わりやすい。

ひとの〈余白〉は、ときに侵入してはならないが

裏も表もない世界

存在、それは言葉だけ

存在、それは言葉だけ



亡霊により付けられる、心の傷

これは、一種の墓標学

カンダチが光り、

心の中はそぼ降る雨。

無常にも今日の空は

綺麗に晴れ渡っているのだが




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