雀の鳴く朝






珈琲をすすり 煙草の煙をふかし 音楽を聞き

白んだ明け方の空を小窓から眺めながら まだつめたい朝の空気を吸い込み呼吸を整える

これらの清らかな浄化とは裏腹 こころの不安なゆらぎ

それを落ち着かせる鳥達の鳴き声

遠景に見える景色との対話


思えば息の詰まる 攻防とデ・コンストラクション

街場の経済は空虚な順位争い その先に何があるのだろう

そこから一歩引き 不確かな実存というテリトリーに

凍える身を潜め 行交う情報を見ていた

嗚呼、こんなことに何の意味があるのか

世界は煽動で一瞬にして変化し

突如として起きる物事はまるでダム湖が決壊するかのよう


硬質なステンレスのマグカップは このペン先から50cmに置かれている

あくびをし、根拠のない自信とともに

私は珈琲をまたカップに注ぎ それを一気に飲み干して

言葉の喧騒に今日も分け入って行くのであろうか


雀は窓を開けた途端 飛び立っていった





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